オクノノヒト
「家族の幸せづくりを目指す企業」を理念に、奥野工務店はこれまでも数多くの住宅を手がけてきました。地域に根ざして45年以上。創業者からバトンを引き継いた社長、そして現場で奮闘する社員たちの素顔を少しのぞいてみましょう。
report by Replan
「家族の幸せづくりを目指す企業」を理念に、奥野工務店はこれまでも数多くの住宅を手がけてきました。地域に根ざして45年以上。創業者からバトンを引き継いた社長、そして現場で奮闘する社員たちの素顔を少しのぞいてみましょう。
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奥野工務店の大工さんが総出で建て込み作業をする現場。その進行を見守るのは、代表取締役社長の狩野泰孝さんです。2023年春、創業者の奥野相談役からバトンを引き継ぎました。2018年の入社以来、営業部・部長、プランナーとして家づくりの最前線に立ち続け、肩書が変わった現在も、担当の現場を次々と回っては作業の進捗状況を確認し、お客様や大工さんと丁寧に打ち合わせを重ねています。
「お客様目線を常に大切に、という先代の想いと一緒に代表のバトンを受けました。家づくりに寄せる想いを、現場の職人や社内のスタッフとしっかり共有できるよう、現場主義を貫いています」。笑顔でそう語る狩野代表は「住まい手の気持ちに寄り添ってくれるから、提案が的確」と、お客様からの信頼も絶大です。気さくで誠実な人柄にひかれ、依頼先を奥野工務店に決めたというご家族も少なくありません。
「家づくりのプロならではの、一歩先の提案ができるように心がけたいといつも考えています。同時に、当社の代名詞でもある『パッシブ換気』をより手が届きやすく、良いものに進化させたいと思い、研究を重ねています」と狩野代表。奥野工務店の標準仕様である“パッシブeco”は、その成果の一つです。「1階の床下暖房1台で全館暖房を行うこの仕組みは、ソーラーパネルを使わなくても、今以上にイニシャルコストもランニングコストも抑えられます。結果として省エネ、低炭素化につながる家づくりが実現できると思っています」。
目指す家づくりを実現するために、先代から大切にし続けてきた会社としての「目配り・気配り・心配り」も、より深化させたいと考えています。そのために必要な社員のスキルアップにも、資格取得の補助や資格手当の支給など、バックアップを惜しみません。「家は暮らしの場。インテリアコーディネーターや現場監督の仕事にも女性目線が加わると、お客様の要望にもっときめ細かく対応できるでしょう。ぜひ、意欲ある女性にも、奥野工務店の家づくりの仲間になっていただけたら、心強いのですが…」と話します。
営業からコーディネート、プランづくり、さらには会社経営や人材育成と、狩野代表の仕事は多岐にわたります。日々奔走しながらも、息切れをしないでいられる秘訣。それは、「趣味を楽しみ、気持ちをリセットさせること」。せたな町出身の狩野代表が幼い頃から夢中なのが海釣りです。「父親は大工なのですが、趣味が高じて船舶免許を取得し、プレジャーボートも持っているんです」。まとまった休みが取れると、家族でせたな町へ帰郷し、父親とともにボートに乗って海へ出ます。釣った魚を自らさばき、家族にふるまうのも楽しみの一つだそう。
営業からコーディネート、プランづくり、さらには会社経営や人材育成と、狩野代表の仕事は多岐にわたります。日々奔走しながらも、息切れをしないでいられる秘訣。それは、「趣味を楽しみ、気持ちをリセットさせること」。せたな町出身の狩野代表が幼い頃から夢中なのが海釣りです。「父親は大工なのですが、趣味が高じて船舶免許を取得し、プレジャーボートも持っているんです」。まとまった休みが取れると、家族でせたな町へ帰郷し、父親とともにボートに乗って海へ出ます。釣った魚を自らさばき、家族にふるまうのも楽しみの一つだそう。
そして、もう一つの趣味がキャンプ。キャンプギアへのこだわりも強く、インスタ映えしそうなアイテムがずらりと並びます。アウトドアが大好きな狩野代表には、娘さんの成長を見守る優しいパパという一面も。故郷の大自然の中で、娘さんとともに過ごすひとときもまた、活力の源になっています。
家族だけではなく、家づくりを通して仲良くなったお客様と休日に釣りを楽しむことがあるといいます。また趣味を通じて知り合ったのをきっかけに、同社での家づくりを検討し始めた方も。「人とのつながりやご縁を大切にしながら、これからも『良い家をつくってくれてありがとう』と言っていただけるよう社員、職人と力を合わせて取り組んでいきます」と、狩野代表は力強く語ってくれました。
家づくりに関わって10年。営業部の戸村公平さんは2020年の入社以来、狩野代表の片腕として現場を駆け回り、お客様の声に耳を傾けています。「当社で家を建てたいという方の多くはパッシブ換気に興味を持ち、ご自身で調べて納得してからいらっしゃいます。それを前提に、住まいのカタチを一緒に考えていくのが、私たちの仕事です」と、戸村さんは話します。
新しいモデルハウスのプランニングでは、次の提案に活かしたい新しい素材や設備を採用するケースも多いといいます。「そのために日ごろから、メーカーのショールームを訪ね、最新のトレンドや製品情報をチェックしています。お客様が知りたいと思うであろう情報を、先回りして身につけておくことが提案力を培うことにつながると思っています」。
戸村さんは、中古物件の高騰を見越して4年前に購入した築20年の2階建てに住んでいます。「自分の経験を通して、中古物件選びで大事なのは、妥協できることと譲れないことをはっきり見極めることだと痛感しました」。限りある予算をどう生かすか。戸村さんの場合は、「立地」にこだわって物件を吟味したといいます。さらに次のステップとして、購入した建物のリノベーションを予定しています。
「今、奥野相談役と一緒に中古物件のリノベーションにも取り組んでいます。自分だったらどうするか。お客様目線で考えることの大切さを今、身をもって学んでいます。この経験は必ず、お客様に喜ばれるプランニングにつながると考えています」。
家づくり修行で心身ともに疲れる日々の癒やしは、帰宅を待ちわびている愛猫。「最近、家族として迎えた保護猫が本当にかわいくて仕方ありません」と目を細めます。キャットタワーやキャットウォークを造作した、猫も人も心地よくて楽しく暮らせる住まい。戸村さんがそんなリノベーションのプランを提案する日も、近い将来やってくるかもしれません。
のし板の置かれたダイニングテーブル上に並ぶ、めん棒やそば切包丁。リビングのローテーブルには、いなり寿司や唐揚げ、おつまみにビールが次々と置かれ、宴の準備が進んでいます。晴れた冬の日曜日、奥野工務店の相談役宅はとても賑わっていました。
「今日は年に一度の恒例行事、そば打ち会なんだよ」と奥野相談役。エプロン姿でキッチンとリビングを忙しそうに往来し、その後ろを愛犬のこはるちゃんがついてまわっています。
奥野家に集まったのは、なんと中学時代のバレー部仲間。「私たちの中学は毎年優勝するほどの強豪校で、部員も60人以上いたんです。今日我が家に集まっているメンバーは、その中から選ばれしレギュラーなんですよ」と、胸を張る奥野社長の言葉に、仲間たちが楽しそうに笑います。
中学時代は何をするのも一緒だったという皆さんでしたが、卒業後は疎遠に。再会したのは10年ほど前に開かれた中学の同期会で、それ以来、そば打ち会をはじめ、年に2回から3回はこうして集まり、互いの近況や思い出話に花を咲かせています。
そば打ち会を主導するのは、アマチュアを対象にしたそば打ち資格制度で三段を取得したお仲間の一人。水回し、練り、切り、と一連の流れの手本をみせた後、メンバーそれぞれが実践に挑みます。「1年に一回だから忘れちゃうんだよ」と言いながらも、皆さんとても楽しそうです。
社長を退いた今も「何でも相談しやすい」とお施主さんからの信頼も厚い奥野相談役。その素顔もまた、古くからの仲間に囲まれて冗談を言いながら笑顔で休日を楽しむ、親しみやすくておおらかな好人物でした。