
転勤族であり日々多忙なTさんは、「これからの子育て環境を考え、家族の時間がより充実し、不安や後悔のない家づくりがしたい」と思い、家の新築を考え始めました。最も重視したのは、家族が安心して暮らせる最高レベルの住宅性能です。情報収集をする中で目をとめたのが、「パッシブ換気」を採用した家づくりを手がける奥野工務店でした。「パッシブ換気」とは、自然の力で室内にきれいな空気を24時間循環させるシステムで、同社は断熱等級6の性能を標準仕様としています。
「この仕様なら万が一の災害時も安心ですし、断熱・気密性能が高いうえに換気に電気を使わないので、ランニングコストも抑えられます。また、空気のきれいさは育ち盛りの子どもたちの健康維持にも役立つと思いました」と、Tさんは新築の依頼先として選んだ理由を話します。
熱源は、安全性に加え「災害時の復旧の早さも魅力だった」というスマート電化を採用。プランニングでは、家族の時間の充実につながるワンルームタイプのLDKなど、いくつか具体的な要望を伝えたものの、細かい間取りや造作については奥野工務店に任せました。
2024年秋、施工中も現場で大工さんと納得のいくまで調整を繰り返して仕上げた新居での暮らしがスタートしました。「家のどこにいても心地よい温度と空気感。家の中の温度差がほとんどないため、体への負担が少ないように感じます。冬でも素足で過ごすほど快適なのに、厳冬期でも電気代は3万円台で、奥野工務店の家の性能の良さを実感しています」と、Tさんは住み心地のよさを語ります。
天井高が2m70㎝と高く、夫婦2人で使うことを想定してゆったりと設えたキッチンが主役のLDKは、ご家族の暮らしの中心。Tさんの要望でリビングの一角に設けた小上がりの畳敷きヌックは、腰掛けたり、寝転んだりと小さいながらも大活躍で、親子が自然に寄り添うコミュニケーションスペースになっています。
「キッチンから家族の様子が分かるのは安心感があります。念願だったミーレの食器洗い乾燥機を入れたことで後片づけが楽になって、家族でのんびり過ごせる時間が増えました」と、奥さんも笑顔で話してくれました。
Reported by Replan
家の裏手は極力窓を減らしたことで住宅性能を高めるとともに、防犯面でも安心感が持てる
玄関ホールには、季節のインテリアを飾って楽しめるニッチを造作。下部のルーバーの奥には、床下ラジエーターが収納されている
玄関ホールを挟んで浴室・ランドリーとLDKをレイアウト。高い住宅性能とパッシブ換気で家中が同じ室温が保たれているため、普段はドアを開け放っているそう。玄関にはオープンなシューズクローゼットを造作した
ゆったりとした広さの独立型洗面室は造作仕様。タイルや洗面ボウル、ニッチ等、一つひとつにご夫妻のこだわりが詰まっている。階段下スペースには上着やかばんを収めるオープンクローゼットを造作
階段の最下段の踏板は、安全性を考えてゆったりとした正方形に整えた
2階の階段ホールは、物干し場も兼ねる。暖房の熱や空気の通り道にもなっているため、洗濯物がよく乾く
室内を巡った空気は、2階廊下の天井に設けた排気口から排出される。開閉は湿度によってコントロールされる仕組み
寝室は入り口のドアのほか、廊下からクローゼットの中を通り抜けることもできる2WAY動線。たっぷりの収納スペースで、物が片付けやすい
子ども室は、将来2つの個室に分けることができる可変性のある設計
子ども室はオープン収納の壁をアクセントウォールに。2人のお子さんがそれぞれの好みの壁紙を選んだ
キッチンを中心にしたワンルーム仕様のLDKは、長身のTさんの要望で天井高を標準より30㎝高い2m70㎝とした。キッチンも、Tさんが作業しやすいサイズ感に
ホコリがつきやすいテレビやチューナー類の配線を壁の中に隠せるつくりにし、テレビの下に横長のオープン収納を造作。テレビ横の収納は、子どもたちが持ち帰るプリント類が置ける奥行きで造りつけた。LDKの出入り口には、KAMIYAのフルハイトドアを採用した
「子どもと過ごす場にしたい」というTさんの要望で、リビングの一角に畳敷きヌックを設けた。子どもの本やおもちゃがすっきりと収まるよう、壁には本棚、床下には引き出しを造作。椅子代わりにできるように、床からの高さにもこだわった
階段下のスペースを生かした大容量のパントリーは、奥さんのお気に入り。「ゴミ箱まですっきり収まり、食材のストックもまとめて収納しやすくて、使い勝手が抜群です」
ご夫妻の要望で、キッチンの背面収納にミーレの大型の食器洗い乾燥機を組み込んだ。洗い物の出し入れがスムーズにできるよう、天板はあえて高めに設計
家族構成 | 夫婦40代、子ども2人 |
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延床面積 | 107.12㎡(約32坪) |
工法・構造 | 木造軸組(パッシブ換気採用) |
施工年月 | 2024年8月 |
所在地 | 札幌市 |